本研究会は,障害者のアクセシビリティに焦点を当て,障害者権利条約の諸規定を基準に,アジアの障害者が直面している施設,交通,情報,サービスなどへのアクセスの障壁ならびに解消に向けた法整備の実態を分析し,課題を明らかにすることを目的とする。条約が要求するアクセシビリティ保障のための法制度が各国においてどのように構築され,課題を抱えているのか明らかにすると同時に,対象国間の比較により共通の課題の発見につとめる。 対象国は条約制定に地域として主導的に取り組んだ国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)に属するアジアの7カ国(韓国,中国,ベトナム,タイ,フィリピン,インド,カンボジア)とする。本年度は1年目の作業として,各国における障害者のアクセシビリティ法制の現状を調査し,論点となる課題の抽出を行った。 本調査研究報告書は,中間報告であり,2年目の分析を経て,最終報告書が作成される。 本章ではま