書物について、人が行うことができるほとんどすべてを為した人の話をしよう。 彼は、多くの本を書いた。 共同執筆した。寄稿した。 アンソロジーを、一冊ものの書物を、それから何巻もある叢書を、編集した。 書物についての講義を持った。 書評した。翻訳した。 索引を作った。 三つの雑誌を創刊し、編集した。 さらに自分の手で活字を組み、印刷し、製本した。 プライベートプレスをつくり、自分が書いたものばかりでなく、世に知られた名著の最も美しい版(エディション)を自分の出版社から出版した。 もちろん書物を蒐集した。 彼のコレクションの一部、爆撃や当局による没収などを免れた、いくつかの幸運な部分は、後にそれぞれが世界的に知られるコレクションとなった。 彼はまた研究施設を備えた図書館を設立した。 世界中の図書館を行き来し、たとえばジュリアン・ケインの下でビブリオテーク・ナショナル(フランス国立図書館)がまとも