<日経産業新聞2004年1月1日に掲載されたコラムです。> スタンフォード大学は、サンフランシスコから南に50キロほどのところにある。私のオフィスからは目と鼻の先にあるのだが、久しぶりにそのスタン フォード大学の図書館に行って驚いた。どのフロアにも、見渡す限りコンピュータが並んでいる。学生たちは、あるものはキーボードを叩き、ある者は画面をひ たすらスクロールして資料を読んでいる。コンピュータの前の学生たちは、学内外の数百のデータベースにアクセスし、情報を調べ、読み込み、分析しながら課 題をこなす。昔ながらの「本が累々と並び、学生はそれを机に並べて読む」という情景は殆ど見られない。 この光景を見て、「体系化された本を、一冊ずつ読み重ねることでものを学ぶ、古きよき時代は終わった」ということを実感した。学生が勉強すべきこと は爆発的に増えている。15年前には博士号論文レベルだった遺伝子組み換え実
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