阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」 2006年3月16日 [アメリカ]アメリカ2――欧州版グーグル「クァエロ」 私のあこがれは、ポピュラー・サイエンスのライターである。「ビーグル号航海記」のダーウィンに始まって、「利己的な遺伝子」のリチャード・ドーキンス、「ワンダフル・ライフ」のスティーブン・ジェイ・グールド、「フェルマーの最終定理」のサイモン・シンなどみなほれぼれするような名文家である。数式や化学式など一行も使わない名人芸には脱帽する。 私もウェブ版Nature誌などをときどき斜め読みするが、こちらは専門の学者(ときどきイカサマもあるが)が投稿しているから、歯が立たないほど難解な論文に突き当たって、ため息をつかせられる。そこでThe Economist誌が年に4回、特集するTechnology Quarterlyに頼ることになる。経済誌だから数式から解放されるし、ニュース性にも敏