批評的うんちく語る かわいいキャラたち オタク文化の浸透に伴ってコミックと文学の世界の垣根が低くなってきた。若者向けの文芸誌や批評誌で活躍する西島大介さん(30)は、そのボーダーレス時代を象徴する新鋭だ。丸顔のかわいい絵柄とシュールな世界観の同居する“不思議マンガ”を生み出したものとは?(佐藤 憲一記者) 単行本デビュー作となったのは、昨年刊行の『凹村(おうそん)戦争』。「今思うとむちゃで異例な試みだった」と振り返るのは、マンガ雑誌の連載を経ないとデビューが難しい出版界の常識を覆し、文芸出版社、早川書房のSF小説の叢書(そうしょ)の一冊、しかも書き下ろしで刊行したからだ。 CG映像作家として創作をスタートし、音楽、映画評のライター、イラストを手がける多彩な才能の持ち主。「SFマガジン」「ファウスト」などサブカルチャーの文芸誌などを仕事の舞台としてきた結果、文芸畑でデビューした。 「マンガは