西島大介 島島 『夏の彗星』 まずはリンク先にある1点のイラストを見てきて欲しい。『夏の彗星』と題された西島大介のこのイラストには、彼の高い作家性が表れている。彼の作品はその表層だけを手にとって眺めてみて、何だか意味がよく分からないまま、キャラがかわいいという理由で何となく消費されてしまうということが多いように思う。このイラストも例外ではないだろう。しかし、ここには批評的な視点で語られるべき優れたイマジネーションが込められている。 あなたはこの、一見してどこまでも地味な1枚のイラストに何を見るだろうか。青空。大きな雲。山の稜線。傘(日傘?)を差す女の子(たぶん)。草むら。セミの鳴き声。確かに『夏』かもしれないけれど、『彗星』なんてどこにも見当たらない。イラストとタイトルは一致していないように思える。しかし、そこで思考停止してはいけない。我われはこのイラストから無限の想像力を受け取ることがで