津波で全壊した店の前で営業するセブンイレブンいわき豊間店。左手前の公衆電話の中に鳥の巣がある=いわき市平豊間 津波で全壊した福島県いわき市平豊間のコンビニエンスストア「セブンイレブンいわき豊間店」の公衆電話に、野鳥のハクセキレイが巣をかけ、このほど5羽のひながかえった。親鳥が行きつ戻りつしながら懸命にえさを与える様子が、被災地の明るい話題となっている。 豊間地区の海岸部は津波で壊滅し、平屋建ての店は屋根と鉄骨を残すだけとなった。電話は店の前にある。震災後、周囲が無人となっている間に巣を作ったらしい。経営者の金成伸一さん(52)が4月初め、がれきの片づけにきて巣と5個の卵を見つけた。 店は本部の移動販売車の支援を受け、今月9日にテントを張って営業を再開。がれき撤去の工事関係者や片づけに来た住民らが弁当や飲み物を買いに来る。子育てに影響しないよう、電話機の周囲にロープを張って保護している。 金