vol.4 生態学者 田邊 優貴子Yukiko Tanabe 国立極地研究所 生物圏研究グループ 助教。子どもの頃にテレビで見た極北の地に憧れ、京都大学進学後は極地の生態学研究の道に。総合研究大学院大学に進み、2007年、第49次日本南極地域観測隊以降、7回の南極入りを果たす。09年、南極の湖底に潜り“ 森”があることを発見。生態系の起源の解明に大きく貢献。 「南極の長池という湖の底に植物が生えていることは予測していましたが、森のような光景が一面に広がっているとは、潜るまでわかりませんでした。興奮して、水中で叫んでしまいました(笑)」 水圏生態学者の田邊優貴子さんが、人類で初めて南極の幻想的な湖中世界を目にした瞬間を語る。 極地の生態系を明らかにし、地球環境の変化に生き物がどう適応し進化してきたのかを解明する―。そうテーマを定め、初めて南極に向かったのは2007年のこと。2度目となる200