日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回取り上げるのは、オーストラリア情報機関のトップがソロモン諸島を訪問したことについて。重要な人物が二人も出てきた背景にあるのは、中国の影だった。 オーストラリアの「スパイのトップ」が訪問 いま、南太平洋に浮かぶソロモン諸島が揺れている。 ソロモン諸島はオーストラリアの北東に位置し、大小992の島々でできている国家だ。そのソロモン諸島に先日、オーストラリアのスパイ機関トップらが上陸したとして話題になった。 豪TV「ABCニュース」は次のように報じている。 「オーストラリアのインテリジェンス機関のトップ2人が静かにソロモン諸島を訪問し、同国のマナセ・ソガバレ首相と会談した。スパイのトップ2人はソガバ