高西淳夫先生に お目にかかるのは、久しぶり だった。 早稲田大学は、日本の ヒューマノイド研究のパイオニア、 加藤一郎先生の流れを 引き継ぐ、日本における ロボット研究所の一大拠点 である。 人間が歩行する時には、 床への圧力のグラフに、 一歩あたり二つのピークがある。 高西さんの研究グループは、 そのような特性を再現する 二足歩行ロボットの開発に 成功した。 今までのヒューマノイドが、 膝を曲げて歩いている印象 であるのに対して、きちんと 膝を伸ばして歩いているように 見える。 「膝を伸ばした状態は、 力学的には特異点になるのです」 と高西さん。 その難所をうまくクリアする ことで、膝伸ばし歩行が 実現したのだという。 会場には、森山和道さんの 姿も見えた。 相変わらず元気そうな森山さん。 質問は鋭く、そのまま議論したら どんどん深い方にはまって 行きそうであった。 「人間であること」