私たち栄養士が根拠に基づいた栄養相談を行う上では欠かせない大切な本がいくつかあります。中でも栄養士必携といっても良いものが食事摂取基準と食品成分表です。 日本食品成分表はこれまで大きな改訂が何度か行われてきましたが、その最新版である2015年版が先日公表されました。収載食品が増えたこと、惣菜の栄養価計算の参考例、分析精度の向上などなど注目点の多い改訂となりましたが、一般の方の注目を集めたのは「ひじき」の栄養価でした。 ■製法でこんなに違う鉄含有量これまで「ひじき」の栄養成分は乾燥品の栄養価を分析したもののみ掲載されており、鉄の成分値は100gあたり55.0mgとなっておりました。これは様々な食品の中でもトップレベルの数値で、比較的不足しやすい鉄が補給できるありがたい食品として親しまれてきました。 2015年版では釜の材質による影響を考慮し、製法や調理操作ごとに「ひじき」だけで6種類の成分値