数奇な運命に翻弄(ほんろう)された日本刀が418年ぶりに“帰郷”する。朝来市和田山町にあった竹田城最後の城主・赤松広秀(1562~1600年)が所蔵していた「獅子王」だ。今は東京国立博物館が保管する名刀の写し刀が完成し、22日、竹田城跡に奉納される。復活に一役買ったのは「刀剣女子」と呼ばれる女性たちだった。(長谷部崇、木村信行) 獅子王は平安時代、源頼政が天皇から賜ったとされ、代々、赤松家に伝わっていた。 広秀は関ケ原の戦いで西軍に付き敗走。その後、東軍の鳥取城攻めに加わるが、城下町を焼き払ったとして徳川家康に切腹を命じられた。竹田城は廃城となり、獅子王も没収された。 明治になって皇室に献上され、現在は同博物館が保管。国の重要文化財に指定されている。 名刀の「悲劇の物語」に着目したのは、朝来市などが運営する異業種交流会「ASAGO大学」に参加した姫路市のNPO法人理事長、崎谷健さん(43)