日本を代表する神社として名高い伊勢神宮と出雲大社。観光地としても人気の2つの神社ですが、その成り立ちに大きな違いがあることをご存じでしょうか。日本の民俗研究の第一人者である新谷尚紀氏によれば、そのような古来の信仰における両者の差は、現在の神社の姿にも現れていると言います。 神社を通して日本古来の信仰のかたちを明らかにする新刊『神社とは何か』より、伊勢と出雲の意外な違いをお届けします。 「宮」と「社」の違い 伊勢神宮と出雲大社の社殿とその特徴について説明してみよう。「みや(宮)」というのは、『日本書紀』や『万葉集』ではもともと天皇の坐(いま)す建物という意味で使われており、それに対して、「やしろ(社)」というのは、もともと人びとによってまつられていた自然の神の「やしろ(社)」という意味であった。 呼び名からしても、伊勢神宮は神の「宮」であり、天皇また皇祖神の天照大神の坐す宮(みや)である。出
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