『劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜』をみました。以下感想。 父から届いた荷物。それが彼女のその後を運命づける。彼方にあってただその楽器によってしか最早つながりのない父と、近くにあって理想の運命を成形しようとする母、ふたつの力が彼女を束縛する。彼女の物語を、私たちは知らなかった。そのことはしかし、決して知ることが叶わないことを意味しない。彼女の背を見つめる探偵によって、彼女の物語を私たちは知る。探偵の名を、黄前久美子という。 テレビアニメ『響け!ユーフォニアム2』に新規カットを加えて再構成したこの劇場版は、前作『北宇治高校吹奏楽部へようこそ!』がそうであったように、極めて大胆にストーリーラインを刈りこみ、ソリッドな1本の映画として成り立っている。前作が二人の少女に焦点をあて、黄前久美子が高坂麗奈を知る物語という骨子を前景化させたのと同様、今回もまた主軸となるのは二人の少女。高