「20代の頃は、とにかく何でも吸収したいと思っていたので」。自社での収穫、醸造期を終えるとニュージーランドやオーストラリア、チリなど南半球のワイナリーを訪ねて修業を積んだという、たいへん勉強熱心な三澤さん。英語、スペイン語、フランス語が堪能だ 写真/森カズシゲ 2014年6月、世界のワイン界に衝撃が走った。イギリスで毎年開催されている世界最大のコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワーズ」において、山梨県にある中央葡萄酒が栽培、醸造した「キュヴェ三澤 明野甲州2013」が、日本のワインで初めて金賞を受賞したのだ。“ワイン後進国”といわれる日本のメーカーが、自社畑で栽培した日本固有の甲州種ブドウで醸造している点でも多くの称賛を集めた。このワインを手がけたのが、同社で栽培醸造部長を担っている三澤彩奈さんだ。 「アルコール度数が低めで非常に穏やかな『甲州』は、金賞を取りづらい品種だといわ
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