逆説的だが。 理由は、日本が母権社会だから。 そもそも父権社会が生まれる前の、母権社会における処女というのは、今みたいな清らで優しいなイメージとはほど遠いものだったようだ。 処女神は地母神の対義的存在であり、まぁ端的に言えば、流血と死を好む、闘争的でヒステリックな存在だ。 例えば偶然迷い込んで自分の裸を見ただけの男を、残酷な手口で殺す女神アルテミスだとか、 血と死にまみれた道を自分の領分として、平気で歩き進む娘だけが、処女神のよりしろとして選ばれるクマリだとか。 荒ぶる御霊のご機嫌をとって、味方に付けるというアニミズムの発想から、彼女たちは崇拝されるのだが、基本的にはとても残虐な、あらゆる男を自らの処女性を犯す穢れとして殺害しかねない存在。それが処女神だ。 これ、処女厨が忌み嫌い、思い描いているらしい「フェミニスト」の絵にぴったり嵌る。 で、彼女たちを優しく穏やかで、男達を包み込み、育む豊
昇格おめでとうと言うと彼女はうつむき、ばれてたんだとつぶやいた。わりとわかりやすいと思うよと私は言った。いいことだけ反対のこと書いてるでしょう、ずっと。 私はここ一年ほど彼女のブログを読んでいた。リアルな友人としてSNSでつながり、そのプロフィールで紹介されていた別のブログを見て、RSSリーダに登録した。しばらく読んで気づいた。彼女は嘘を書いている。 もちろん、匿名ブログに事実以外について書くのは少しもおかしなことではない。私だっていちばんの趣味はうそブログを書くことだ。嘘はなにしろたのしい。誇張も、反転も、部分的なすり替えも、言い回しだけ整えるのもたのしい。 でも彼女は私のように好き勝手に話をつくって遊んでいるのではなかった。彼女の嘘には法則があった。基本的にほんとうのことが書いてあり、ただ、とくに良いできごとが起きたとき、それを反転する。悪いできごとにすり替える。私は彼女とときどき連絡
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