第96回アカデミー賞で、『千と千尋の神隠し』に続き2度目の長編アニメーション映画賞を受賞した宮﨑駿。彼の引退宣言は以前から取り沙汰されてきたが、今回の受賞を受けて改めて英「ガーディアン」紙がこの問題に向き合った。 はなむけとしては完璧だっただろうに──日本の比類なきアニメーション作家、宮﨑駿のアカデミー賞授賞の話である。 『君たちはどう生きるか』の長編アニメーション映画賞受賞が発表されたときは、果たしてこの83歳が本当にアニメ映画製作をやめるのかと思案する機会になった。 宮﨑は1980年代半ばから「スタジオジブリ」でその才能を発揮してきた。同社は、彼の将来が取り沙汰されたときには、2度目のオスカーについてほとんど考慮していなかった。2003年の授賞式に宮﨑が欠席したのは、米国主導のイラク戦争への抗議だったと伝えられているが、今回の欠席は長距離移動を嫌がったためだとされている。おそらく高齢の