「腐らない」からおかしくなる おカネは、時間が経っても土へと還らない。いわば、永遠に「腐らない」。それどころか、投資によって得られる「利潤」や、おカネの貸し借り(金融)による利子によって、どこまでも増えていく性質さえある。 これ、よく考えてみるとおかしくないだろうか? この「腐らない」おカネが、資本主義のおかしさをつくりだしているということが、僕がこの本で言いたいことの半分を占めている。 (本書074ページ 第Ⅰ部第五章 腐らないパンと腐らないおカネ) ―― この話をはじめてうかがったとき、目からウロコが落ちるような思いがしました。たしかに、おカネだけが時間が経っても減らないし、むしろ増えていく性質を持っています。この「腐らない」おカネという発想は、どこから得られたんですか? イタル最初のきっかけは、大学4年のときに卒論を書くために読んだ『エンデの遺言』(NHK出版)という本です。 昔