10月27日、将棋のプロを目指した元奨励会三段の天野貴元さんが多臓器不全のため亡くなった。30歳だった。天野さんはステージ4の舌がんに罹患し、転移も見つかったが、将棋を指すために抗がん剤を拒否。アマチュアの大会に出て将棋を指し続けた。 「週刊文春」は10月22日号で天野さんのインタビュー記事を掲載した。体力も限界に近いなか、天野さんは懸命に取材に応じてくれた。 心からご冥福を祈るとともに、追悼の意を込めて、ここにその記事を再掲載する。 「プ、プ、プ、ブー」 時間切れを告げるブザーが鳴った。将棋盤を挟む2人は一瞬固まり、見守っていた人垣にザワめきが走る。 10月11日、さいたま市で開催された将棋アマチュア王将位大会北関東予選。敗者は将棋の内容で負けたのではない。駒を持ち、腕を動かす力が残っておらず、制限時間内に着手できなかったのだ。精いっぱいの苦笑いを浮かべて「すみません」と対局相手に唐突な
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