公開日の4月21日にどっぷりと『リズと青い鳥』に浸かってみた結果、ああも確立するアニメーションがあるのかと悶々とせざるを得なくなった。まだまだ生意気な若輩者なので、この作品に関してはいままでフィクション体験のうちどこにも類型化できないものだった。 そもそもこの見るからに危うく美しいこの作品をことばを以て紹介するのは如何なものかと考えもしたが(原作小説を読んでいないので前提がそもそも狂っていることをご容赦頂きたい)、少なくともぼくは、ことばによる尊び以外のものを持ち難いのもまた事実だった。言語化というゼラを通してこの舞台を照らすことが無粋であることは重々承知の上で、それでも精一杯の返事としてフェーダーを上げる。これは決して立ち入ることのできない聖域を客観からひたすら観測しようとした、しがない観察日記である。 以下囂しいほどのネタバレを含むので、未見の方は鑑賞まで以下を読まないでおくことをおす