妖怪はいるだろうか? ――いる、と思ったあなたも、いない、と思ったあなたも、何をもって「妖怪」と判断したのだろう。 我々は何となく妖怪というものを知った気になり、他人との会話でもお互いに意味を確認しあうことなく使い、それで意味が通じている。 しかし妖怪などというものは一般的には非実在とされており、その辺りにわかりやすい形で転がっているわけでもないため、アレやソレがそうだと指差してお互い確認し合うことは難しい。更には、様々な姿・性質のものがおり、そのバリエーションは実在の動物の比ではない(例えば目の数だけ考えても0から100までいるのだ)ため、これこれこういうものが妖怪だ、と一口に説明するのもまた難しい。では我々が妖怪を理解・認識するのは何によるのだろうか。何をもって妖怪というカテゴリを知り、そこに入れるものと入れないものを決定していくのか。 それはおそらく、妖怪図鑑的なものである。「的なも