量子力学の示す電子の軌道 水素原子は陽子1個からなる原子核と、そのまわりを回る1個の電子からできています。水素原子の電子は図1(a)のように水素原子のまわりを球状に取り囲む軌道にあります。この軌道は1s軌道と呼ばれます。 AとBの水素原子が近づいていくと、図1(b)のように次第に2つの1s軌道は重なり、もっと近づくと、それぞれの電子はAとBの原子の2つの1s軌道にわたって分布するようになります(図1(c))。 私たちも広い場所を与えられると、のびのびとその広いスペースを利用するようになります。この性質は物理学の基本法則の1つです。私たちに限らず、すべての物体はのびのびとありたいのです。小学校1年生を教室の中に押し込めておくのが難しいのも、実は自然の理にかなったことなのです。 A原子の電子が存在する原子軌道をφ1で、B原子の電子が存在する原子軌道をφ2で表すと、非常に簡単なことに、2つの原子
![説明できますか? 「ヘリウム分子」が存在しない理由(平山 令明)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e2cef78a25fdfb0bf0140566625b6011689f8849/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fe%2F9%2F1200m%2Fimg_e9077f41144daae4f7ef57cb5885a50a90883.jpg)