横浜・根岸駅を出発するJR貨物の特別列車。三セク鉄道の線路を経由して被災地にガソリンを届けた=横浜市磯子区で2011年3月18日、中島和哉撮影 東日本大震災で被災地への石油輸送の一翼を担ったのは、累積赤字に悩む第三セクターの鉄道や日本海沿いのローカル線だった。震災で大打撃を受けた三セク「三陸鉄道」(岩手県)は廃線の危機にあるが、専門家からは非常時の「ライフライン」として再評価する声も出ている。 被災地のガソリン不足が深刻化した3月中旬、JR貨物(東京都)は横浜・根岸から盛岡まで、特別列車による石油輸送を計画した。しかし、JR東北線の復旧のめどが立たず、新潟に迂回(うかい)して、ローカル線のJR羽越、奥羽線を経て青森に向かうルートとした。JR線のない青森-盛岡間は、三セクの「青い森鉄道」(青森県)と「IGRいわて銀河鉄道」(岩手県)を利用し、第1便は3月19日に盛岡に到着した。 同ルートは東