今回は「赤外線通信技術」を支える、IrDA規格に基づく通信方式について詳しく見ていくことにしましょう。 そもそも「赤外線」って何? 電磁波の種類の中で、目に見える「可視光(Visible Light)」のうち、最も波長の長い色が「赤色」ですが、これよりも波長が長く、電波よりも波長の短いものを「赤外線(Infrared Ray)」といいます。この赤外線のうち、一番可視光領域に近い波長(700~2500nm)である赤外線を「近赤外線」といい、この領域の赤外線を使用した通信のことを赤外線通信と呼んでいます(図1)。 この帯域の赤外線は、可視光線の光学的な性質とほぼ同じであるという特長があります。家電製品で使用されている赤外線リモコンやIrDA規格では、800nm前後の波長を持った赤外線が使用されいます(ちなみに、光ファイバーなどは、1200nm前後の波長のものが使用されています)。また、赤外線暖