修士のときに友人と「穴」について議論をしたことがある。穴を認識したいとして、一体どのように我々は穴を認識する認識器を設計すればいいだろうという議論である。私は音声について研究をしており、彼は言語獲得について研究をしていた。この穴の認識の問題は、文脈としては、パターン認識の問題である。また、議論が複雑になってしまうので、抽象的な意味での穴は除外し、物理的な穴の認識を目標とした。 まず、彼と私は様々な穴をホワイトボードに描いた。そこで簡単に分かったのは、穴には種類があるということである。国語辞典を引いてもそう書かれているのであるが、「くぼみ型」と「突き抜け型」である。例えば、地面に掘った穴とドーナッツの穴がそれに当たる。これらがなぜ同じ「穴」という言葉で表されるのかということも不思議だったのだが、とりあえず、どちらか一方でも穴であると認識できればよいということにした。 私も彼も機械学習を知って