平成が終わりを迎えようとしている今、かつては交わらなかった2つの空間が、一気に近づいたような気がする。 「バーチャル」と「リアル」、「仮想」と「現実」。 それは「バーチャルYouTuber」(V Tuber)と呼ばれる表現者たちが生まれたおかげかもしれない。 6000を超えるV Tuberたち。その先駆的な存在が「キズナアイ」だ。 YouTubeチャンネルの登録者数は240万人。ダントツの人気を誇る。 「私は、世界にいる75億人とつながりたいんです」 長い髪をなびかせ、ピンクのリボン(のようなもの)をぴょこぴょこと揺らしながら語るのは、全人類への讃歌だ。 一方で、こんな言葉もつぶやく。 「人間のみんなの世界には、まだまだ壁がいっぱいあるんだなと感じ始めました」 「だから私がハブになることで、みんなの世界が広がったり、よりよい何かを見つけてくれたらうれしい」 “人類を愛するAI(人工知能)”