新元号の公表を間近に控えて、この3日ほど、テレビ・雑誌をはじめとする商業メディアは、平成を振り返る趣旨の特集企画を文字通りに垂れ流し続けている。 読者各位も 「平成最後の」 という、年が明けてからこっち、何百回となく繰り返されてきた安直な接頭辞にうんざりしはじめている頃合いだと思う。 こんなことを言っている私自身、実は、出版社発の平成回顧企画に乗っかっていたりする。 具体的には 『街場の平成論』(内田樹編著、晶文社刊)という書籍に、9人の共同執筆者(内田樹、小田嶋隆、釈徹宗、白井聡、仲野徹、平川克美、平田オリザ、ブレイディみかこ、鷲田清一)のうちの一人として寄稿しているのだ。 本書について、簡単に説明しておく。 内容的に統一性はあまりない。相応にバラけている。あるいは、支離滅裂という言葉を使ってもそんなに的外れではないかもしれない。 9人の書き手が、事前の相談もなく、それぞれに思うところを