ベトナム沖の熱帯の海に浮かぶコンソン島にコンダオ刑務所という博物館がある。かつての抑圧的政権から受け継がれた博物館の見所は、美しいコロニアル様式の建築とそこに収容されていた囚人の実物大人形だ。 コンダオ刑務所は1861年フランスの植民地政権によって政治犯を収容する施設として建設された。その後、1954年に南ベトナム政府に移譲され、アメリカを支援する目的で使用された。 Coconut Tree Prison Museum Phu Quoc Island 現在、施設はベトナム政府が管理しており、観光地として一般公開されている。歴史ある石造りの建物の周囲や中庭を散策するだけなら静謐な静けさを味わうことができるが、一度建物の内部に足を踏み入れ、独房に設置された等身大の人形を目にすれば、ここで数々の残虐行為が行われていたことが推察できる。 特に悪名高いのが、1940年にフランスが戦争捕虜を収容するた