youkoseki.com ロボット上司問題 上司がロボットになって三ヶ月が経ったが、これまでのところこの試みは大成功だったと言わざるをえない。もちろん、上司がロボットになったというのは、人間がロボットに変身したわけではない。人間の上司、この会社に転職してきたぼくの面倒を三年にわたって見てくれたアウレーリオという陽気なイタリア人は、ある日、朝一番にとつぜんリストラを言い渡されて会社を去った。 その日、朝からアウレーリオは机の上の荷物を整理しながら、それでも軽口を言う姿勢を崩さずに「ロボットが南イタリアのやつらより働けばいいんだがな」とぼくに囁いた。アウレーリオはトリノの出身で、彼は自分の後任が最新型のロボットであることを知っていた。彼をクビにしたのもロボットだった。マネジメント層はどんどんロボットになっている。認めざるをえない。それは成功しているのだ。 ロボット上司はまだマイナーな存在だ。
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