サブプライム問題による金融の混乱に原材料価格の高騰──。 様々な不安要因が重なり、世界経済の行方は混迷を深めている。 そんな中、少子高齢化に直面する日本では将来への懸念が強い。 だが、ノーベル賞経済学者であるサミュエルソン名誉教授は 「日本経済には成長の方策がまだある」と悲観論を一蹴する。 “日本流”の欠陥を改め、輸出から内需主導の成長へ舵を切る。 さらに高齢者や女性を活用し、労働力の減少に対応せよ、と語る。 ポール・サミュエルソン 1915年生まれ。米シカゴ大学卒業後、米ハーバード大学大学院に学び、41年博士号取得。米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授などを経て現在は同名誉教授。米民主党の理論的支柱の1人で、数学を駆使して体系化した価格理論とケインズ経済学を合体した「新古典派総合」と呼ばれる理論は長く近代経済学の主流を占めた。48年に出版した『経済学』は経済学の教科書として日本人にも