準ひきこもりは、2006年に樋口康彦が紀要「大学生における準ひきこもり行動に関する考察」の中で提唱した概念であり、大学には登校するが家族以外の人間とほとんど付き合いがなく、対人関係や、社会経験が不足している状態のことをいう。樋口は、この準ひきこもりが、ニート、フリーター問題の隠された要因になっていると指摘しており、引きこもりのように部屋に閉じこもるわけではなく、問題が顕在化するのは就職活動期や大学卒業後と述べている。 2010年に行われた内閣府の「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」において、「引きこもり」群が70万人と推計され、そのうち6か月以上にわたって「趣味のときだけ外出する」状態の人たちが46万人と推計された。調査を手がけた明星大学大学院人文学研究科の高塚雄介教授は、この層を「準引きこもり」群として注目した[1]。