近年、木の香りがもたらす生理的リラックス効果が明らかになりつつありますが、におい成分が人体に及ぼす影響に関するデータは少ないのが現状です。木のにおい成分の一つであるα-ピネンは、ヒノキやスギ等に多く含まれ、木質内装の居室や針葉樹林内の空気中に存在しています。α-ピネンが人の体にもたらす影響についてのこれまでの研究は、20代男性の血圧に関する報告に限られていました。そこで、本研究では、対象を20代の女性に広げ、近年開発された自律神経活動の指標である心拍のゆらぎ計測(心拍変動性)を用いて、α-ピネンが人にもたらすリラックス効果を明らかにしました。 人工気候室内(温度25℃、湿度50%、照度230ルクス)で、女子大学生13名(平均年齢21.5歳)にα-ピネンあるいは空気(対照)を90秒間嗅いでもらい、その間の生理応答として心拍間隔と心拍数を計測しました。またにおいを嗅いだ後に、嗅いでいた時の気分