事件がナゾで真相が分かりにくい時、よく出る話に「それで誰がいちばん得をしたか考えれば真相が分かる」というのがある。 左翼に愛用された理屈で、いわゆる“謀略史観”というのがそうだ。ソ連など共産圏が健在なころ、国際的な事件で「アメリカ帝国主義」を非難する際によく使われた。 したがって北朝鮮も謀略史観が大好きで、米国や日本、韓国などを非難する際、よく使ってきた。 ところで、韓国で先ごろ起きた哨戒艦撃沈事件は「なぜ北朝鮮が?」と、動機などに分かりにくいところがある。そこでこれに「誰がいちばん得をしたか?」論をあてはめてみると、面白い。結論は「いちばん得をしたのは北朝鮮」で「犯人はやはり北朝鮮」となって納得なのだ。 そう思わせられたのは先週、行われた韓国の統一地方選挙が、まさに北朝鮮の思い通りの結果になったからだ。 選挙結果は内外の予想を裏切り与党惨敗、野党大勝に終わった。ソウル市長も危うく野党に取