【ソウル=牧野愛博】北朝鮮の首都、平壌市の行政区域の面積が最近、3分の2以下に縮小した。ラヂオプレスによると、平壌放送などが今月、平壌市に属していた江南、中和、祥原の3郡と勝湖区域を黄海北道の行政区として紹介した。韓国の人権団体などから食糧難による「口減らし」との見方が出ている。 公称人口約2300万人の北朝鮮で、平壌には200万〜250万人が住み、「外国向けのショーウインドー都市」とも言われる。朝鮮労働党幹部ら社会高位層が住み、食糧配給なども他の地域より優遇されている。 韓国で北朝鮮への人道支援運動を展開する団体「良き隣人たち」は12日、ホームページで「食糧難に伴う決定」とする朝鮮労働党幹部の言葉を伝えた。北朝鮮関係筋も「食糧やインフラ整備などの負担を軽くする目的があるかもしれない」と語った。 韓国政府は今年、北朝鮮で約130万トンの食糧が不足するとみている。