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2017年10月9日のブックマーク (2件)

  • 脳はいかにして現実を認識するのか──『あなたの脳のはなし: 神経科学者が解き明かす意識の謎』 - HONZ

    我々は”現実”をありのまま受け取っているわけではない。いったん視覚情報や触覚情報といった身体表面から情報を受け取り、それを脳で解釈することによってはじめて”人間用に最適化された、人間用の世界”を構築する。我々はある種のフィクションの世界を生きているわけだ。 と、大層な語りだしではじめたけれども、書はそうした現実の解釈機関である脳についての一冊だ。著者のデイヴィッド・イーグルマンは日でも『あなたの知らない脳──意識は傍観者である』で知られる神経科学者で、巧みな文章で脳科学の世界を紹介する伝達者である。書は著者が監修・出演した(世界で人気なのだ)BBCのテレビ番組の書籍版であり、「人はどうやって決断を下すのか」、「人はどうやって現実を認識するのか」など縦横無尽に語ってみせる。 書だけで脳科学が全てわかるわけではないが(そんな事はどんなでも無理だ)、分野の動向を概観し、入り口とするため

    脳はいかにして現実を認識するのか──『あなたの脳のはなし: 神経科学者が解き明かす意識の謎』 - HONZ
  • 『パパは脳研究者』 そして、私は赤ちゃん - HONZ

    書は、『海馬』などのベストセラーでおなじみの脳研究者・池谷裕二さんが、愛娘の4歳までの成長を脳科学の観点から、観察・分析しただ。育児ノウハウをまとめた実用書ではない。8歳と4歳の2児の父である私が読んで、手放しで面白かった。「うちの子はもう小学生だから、幼児教育を読んでも遅い」などと躊躇せず、ぜひ、多くの方に読んでほしい。 書を紹介する前に触れたいがある。1960年に発売された『私は赤ちゃん』だ。社会現象をおこした大ベストセラーであり、50年以上版を重ねている超ロングセラーである。「私はおととい生まれたばかりである。まだ目はみえない。けれども音はよく聞こえる。」という書き出しで始まる、赤ちゃん視点で書かれた、珍しい育児書である。 タイトルも似ているが、『パパは脳研究者』の視座の新しさは、この大ベストセラー『私は赤ちゃん』に比することができる。パパが、わが子の変化を脳研究者の視点

    『パパは脳研究者』 そして、私は赤ちゃん - HONZ