理系的な発想を問う短編小説を公募する第11回日経「星新一賞」の受賞作がこのほど決まりました。応募総数は1389編で、人工知能(AI)による創作と認められた70点からは入賞はありませんでした。一般部門(対象制限なし)のグランプリ「冬の果実」、ジュニア部門(対象は中学生以下)グランプリの「ライトコート」をはじめ、受賞9作品をすべて紹介します。一般部門グランプリ「冬の果実」 吹雪は既に二週間、八月の街に居座っていた。「体調はどうだね?」青いセーターにくたびれた白衣。いつもと変わらない格好で僕を迎えた博士は、また少し痩せたようだった。…続きを読む