「どうして美術だけ“理解”しようとするのか」と、パブロ・ピカソが言ったそうです。空一面を真っ赤に染める夕日や梢に響き渡る鳥のさえずりは、それが何であるかを理解できなくてもただそれだけで「美しい」と感じるのに、美術作品を前にすると人は「これは何を意味しているのか」「どうしてこんなものを描いたのか」と理解しようとする。なるほど確かに、ピカソの言う通りかもしれません。ただ、それは同時に「どうして美術は“理解”できないのか」ということでもあります。誰もが「どうして」と考える必要もないほどわかり易ければ何の問題もない訳ですから。ではなぜ、美術はわかりにくいのか。。。 その答えは、作品を“作る側”の気持ちになってみると少し見えてくるかもしれません。例えば自分が作った作品について「これは何をあらわしているの?」「どうしてこの色を使ったの?」と様々な質問をぶつけられた時、その全てに明確に答えられるでしょう