『ランセット』という海外の医学雑誌に昨年、「自宅出産は病院など医療が介入する出産に比べ、新生児死亡率が3倍に上る」という論文が発表されました。同誌に論文を載せるためには相当な根拠が必要です。そんな雑誌に自宅出産の否定的な意見が掲載されたのですから、これから自宅出産をしようとしている人は考えた方がいいでしょう。 この論文は、もともと『AJOG』というアメリカの産婦人科雑誌に掲載されたものです。自宅出産で3倍も多くの赤ちゃんが亡くなっているというと社会的な大問題になりそうですが、自宅出産の数がかなり少ないためなのか、日本ではそれほど話題になっていません。その一方、自宅出産を勧めたり、ほめたたえたりする雑誌の記事などが多いのには驚くばかりです。 僕が働いていたクリニックの外来にも2年に1組くらいは「自宅出産をしたい」と訴える方がいらっしゃいます。患者さんのこうした要望に応えて自宅に出向いて出産を