【ブリュッセル=城島建治】G7首脳会議に出席している安倍晋三首相は四日(日本時間五日)、中国を念頭に、東・南シナ海での緊張に懸念を表明した外交分野の首脳宣言が出たことを受け、記者団に「東アジア情勢は私が議論をリードした。力による侵略は許されないと提言し、各国から強く支持された」と強調した。宣言には、中国の脅威を国際社会と共有したい日本の意向が反映された。だが、欧米の関心はウクライナ問題に集中。「中国包囲網」といえる結束は示せなかった。 安倍首相はG7への地ならしで、各国に対中国での連携を働き掛けてきた。名指しは避けながら、ウクライナ危機後に初めてG7首脳が集まった三月のオランダでの緊急会合で「アジアなど国際社会全体の問題だ」と主張。五月上旬の欧州歴訪でも東アジア情勢の懸念を説き、五月末にシンガポールでのアジア安全保障会議で「現状の変化を固定しようという動きは強い非難の対象とならざるを得ない