創価学会における絶対権力の空白は早8年に及ぼうとしている。半世紀以上にわたり巨大教団を率いてきた池田大作名誉会長は1月に卒寿を迎えたが、年に数回、『聖教新聞』に近影が掲載されるだけで、公の前に姿を見せなくなって久しい。2010年5月の本部幹部会の後、脳梗塞で倒れたというのが定説だ。大小様々な本部施設が蝟集する東京・信濃町の真ん中にひっそりと佇む第二別館にほぼ籠もりきりとされる。 一枚岩だったはずの組織に…… この間、原田稔会長以下の集団指導体制により教団の運営は滞りなく行われてきたかに見える。が、カリスマ指導者の重石がなくなれば必然のこと、一皮剥けば、信濃町の内部では次期会長の座を巡る暗闘が繰り広げられ、一枚岩だったはずの組織に動揺を来しているのが実際だ。 「谷川佳樹主任副会長のラインが巻き返しに出たのかもしれない」 1月下旬、ある本部人事が各方面を駆け巡り、憶測を呼んだ。副会長の岡部高弘