唐突な襲撃であった。 ネズミ人間達の攻撃を退け、通路の向こうから聞こえてくる怪しげな物音にびくつきながら 発光する鎧の明かりを頼りに迷宮を進んでいた一行は、入り口から北に向かった先の部屋で妙な小部屋に行き当たったのだ。 あまり広くない正方形の部屋には塵にかえった書物を収めた棚(こちらも朽ちかけている) 粗末な木製のテーブルと椅子が二脚。 そして部屋の中央、一段高くなった台座の床にぽっかりと楕円形の穴が開いていた。 「なんだこれ」 「・・・便器?」 「便所にしか見えぬ」 「ラッパン便所ということか・・・?」 スーパー困惑顔で穴を見つめる一行。 びくつきながらも穴を見下ろしてみると、下には今居る部屋と同じ程度の天井の高い部屋があり 穴の真下にはおそらくこの部屋から投棄されたであろう数々のガラクタやゴミがうずたかく積みあがっていた。 「ゴミ捨て・・・場?」 「いやでもどう見ても便・・・」 便所だ