一昨日と昨日のつづき ウッドデッキの縁に座っている沙織さんの隣に座ろうとした時に、タンクトップの陰から沙織さんの胸が見えてしまった。 だけどそれよりも気になったのは、沙織さんの付けていたブラジャーの肩紐の色だった。沙織さんの白い肌の上に乗っかった肩紐は、雲間から少しだけ見える青い空みたいな色をしていた。おれも煙草を一本だけ貰った。沙織さんもおれも煙草の火が消えるまで喋らなかった。 「これからイオンに行くから、その時駅まで送るね」 「ありがとうございます」 お父さんの運転で助手席にお母さんが座り、おれは左後ろに、沙織さんは右後ろに座った。お父さんが山手線の話をしてくれた。「二郎くん、山手線には二つだけ踏切があるんだよ。どこにあるか知ってる?」「知らないです。どこにあるんですか?」「目白と池袋の間と駒込と田端の間なんだよ。今度4人で行ってみるか?」「そうですね」その時突然沙織さんがおれの右手を