ブックマーク / goldhead.hatenablog.com (6)

  • 地獄の中にあって、せめて踊って死ね。それだけだ。 - 関内関外日記

    blog.tinect.jp またまた寄稿いたしました。 どうにも、精神障害者としてのおれが、精神障害者の先達の話を読んでも、ぜんぜん参考にならねえというか、そういう話です。 ですけどねえ、書いて終わって、掲載されて、あらためて思ったのは、今どきロールモデルも先達もなにもねえんじゃねえかってことで。そりゃあねえ、上場企業の正社員とか、医師とか弁護士とか地主とか、なんか問題なく生きられる地位を手に入れた階層にとっては、結婚し、家庭を作り、マイホームを手に入れ、子育てをし、やがて老後を……みたいなのがあるかもしれねえ。 でもねえ、おれみたいな精神障害者、というと範囲が狭くなるが、婚期もなにもなく底辺を這いつくばってきた就職氷河期の人間とか、先達がいねえんじゃねえのかとか。 いやね、おれだってね、小学生の頃とかにはね、「自分もいずれ結婚して、子供とか作って、マイカーとマイホーム買って……」って、

    地獄の中にあって、せめて踊って死ね。それだけだ。 - 関内関外日記
  • 日本には力強いおっさんが少ない 『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』を読む - 関内関外日記

    ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち 作者:ブレイディみかこ 筑摩書房 Amazon はじめに言っておくが、おれは『ハマータウンの野郎ども』を読んだことがない。 ハマータウンの野郎ども ─学校への反抗・労働への順応 (ちくま学芸文庫) 作者:ポール・ウィリス 筑摩書房 Amazon というわけで、おれはブレイディみかこの記した「ハマータウンのおっさんたち」についてしか知らない。 ハマータウンのおっさんたちは、ハマータウンの野郎どもがおっさんになった、おっさん姿の野郎どもである。おっさんといっても、もう60代とかそのあたりであって、「もう35歳だしおっさんだよ」という甘いものではない。 それでも、英国のおっさんたちはワイルドなのである。少なくとも、ブレイディみかこの周辺にいる、ワーキングクラスのおっさんたちはワイルドだ。ワイルドでありながら、わりとリッチだったり、やっ

    日本には力強いおっさんが少ない 『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』を読む - 関内関外日記
  • わいせつ五輪開会式の村 - 関内関外日記

    一ヶ月前、ぼくはワクチンの接種を受けた。注射器の形はわいせつな形をしていた。ぼくらの世界には表の世界との秘密コネクションがあって、品不足とされているワクチンも、独自のルートで入ってくる。日本代表のわいせつ石こう職人のぼくは、優先してワクチンの接種ができたのだ。 四年に一度の、大会が始まる。この大会の起源はわかっていない。最初の村で行われていた村祭りが大きくなったというものもいるし、村がいくつにも増え、その交流の場として生まれたという研究者もいる。 やがてこの祭りは大きくなった。日の津々浦々に隠れ住んでいるわいせつの村の者たちが集い、その技量を比べ合う大会となった。開催は四年に一回。ひそかに日国中からこの道の猛者たちが集い、二週間それぞれの技を競い合う。勝利者には金色に輝くわいせつな形のメダルが贈られることになった。 この大会がさらに大きくなった。世界各国にも、ぼくたちと道を同じくする村

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  • 新コロナウイルス対策失業団戦記 - 関内関外日記

    その晩の夕のメニューは、いつもどおりのすいとんともやしの和え物だった。すいとんといっても、味のない、ぬるい塩スープに白いかたまりが浮かんでいるだけだ。 事の号令を待っていると、そこへ監視官が入ってきた。汚れてベージュ色になったマスクの紐を右側だけ外し、副首相スタイルでがなり始めた。 「今夜は、明日の迎撃戦をひかえた大切な夜である。ここ横浜は首都防衛の最後の盾だ! そこで、農林水産上級副大臣閣下より、ありがたいお気持ちを頂戴した! これを糧に、明日の戦闘に打ち勝てる!」 すると、薄汚れた白衣の給仕班が入ってきて、ソーシャル・ディスタンスを守っているぼくたちのプレートに、肉のかけらとメロンを置いていった。 「事、開始!」 ぼくたちはそれぞれの、ぼろぼろのマスクを外して、事を始めた。原則、会話は禁止されていたが、一人の男がつぶやいた。 「おれ、ステーキ・チェーンで働いていたからわかるんだ

    新コロナウイルス対策失業団戦記 - 関内関外日記
  • 台風におれの抑うつ連れ去られ - 関内関外日記

    前の前の木曜日から、おれは抑うつ状態にあった。倦怠感のなかにあった。一週間くらい続いた。それがどうしたことだろうか、この週末、土曜日のいつからか、あるいは日曜の目覚めからか、すっかり抜け出したようになった。まだ、抜け出したかわからない。わからないが、ともかく無理をせず起きることができて、普通に手足を動かし、歩行もできるようになった。 大きな台風が来た。それに対するザワザワしたした気持ち、あるいは、世間がザワザワしている気配。そんなものが、おれを抑うつから連れ出したように思える。台風でたいへんな被害を受けた人には申し訳ないが、どうもそういう気もする。おれの安アパートは押しつぶされることもなく、雨戸だけ閉めておけばどうということもなかった。ニュースを見て、このあたりとすれば箱根の大雨に、あるいはその後の北の方の被害を見ながら、なにか、おれはおれの抑うつを忘れるようでもあった。 「抑うつの気が去

    台風におれの抑うつ連れ去られ - 関内関外日記
  • われわれは淘汰されているだけ - 非婚・非出生社会の根源 - 関内関外日記

    「生涯未婚率」男性が圧倒的に高いワケ こんな記事を読んで、やや主題とは違うところに目が釘付けになった。 15年の生涯未婚率は、前述の通り男性が23.4%、女性が14.1%。「団塊ジュニア世代」が生まれる直前の1970年には、生涯未婚率は男性1.7%、女性3.3%だった。 ぼんやりと未婚率は上がっているのだろうと思っていたが、ここまで差があるとは。 というか、1970年の「男性1.7%」なんて、想像がつかない。そこまで結婚していたのか、という。一方で、2015年の「男性23.4%」というと「多いなぁ」と思ってしまう。 むろん、いずれの社会が正しい、あるいは誤っているというわけでもないだろう。ただ、もう社会が違ってきてしまったというだけなのである。その中で、個々人が社会に適応してそれぞれの選択をするだけのことなのだ。 して、思うに男性未婚率1.7%時代は、いまの基準でいえば結婚に向いていない人

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