偶然は必然だ 前回は慣性質量と重力質量が物理的に全く違う概念であるにも関わらず、 両者に違いが見出せないことの不思議さを説明した。 実はこのことがアインシュタインが一般相対性理論を導くきっかけになったのである。 二つの全く違う概念として定義されたものが偶然にも全く同じ値を持つとすれば、 それは偶然ではなく必然であろう、とアインシュタインは考えた。 つまりそうなるような何らかの仕組みが隠されているに違いないというわけだ。 アインシュタインの解決法 上向きに加速するエレベータに秤を載せて物体の重さを量ると 秤の目盛りは普段より大きな値を示す。 しかしこの方法では重力質量と慣性質量の違いは全く見つけられないのであった。 このことは次のことを意味している。 密閉されたエレベータに乗っている人にとっては、 エレベータが加速を始めたのか、なぜか突然に地球の重力が増えたのかは、 物理的な観測では全く区別