「これからは,現場のユーザーのことを考えた使い勝手の高いシステムを作れないITベンダーさんには,発注しません」。ソニー生命保険は最近,取引先のITベンダーに対してこんな方針を打ち出した。 目的は,営業支援システムなど基幹業務システムの刷新を本格化するに当たって,使い勝手の高いシステムを設計開発できる体制を整えるためである。そのため今年1月までに,業務システムの使い勝手(ユーザビリティ)とは何かを定義したうえで,ユーザー・インタフェースの設計プロセスや画面一つひとつのデザイン方法などに関する社内標準を策定。それらに準拠することを,取引先のITベンダーにも求め始めたというわけだ。 ユーザー・インタフェース設計の責任者となった長尾和洋 営業企画本部営業情報支援部web支援課主事は,元営業担当者としての経験を踏まえてこう語る。「システムのちょっとした使い勝手の悪さも,それを日々使う現場のユーザーに