「起業しようとは思わないの?」 研究者にならなかった理由を説明したとき、 入社先としてベンチャー企業を選択したことを伝えたとき、 あんたずいぶんフリーダムに生きてるねと突っ込まれたついでに、 上のような質問を受けることがある。 僕はどう見られているのか知らないが、今日だけで二回も聞かれた。なんなんだ。ぼくはセンチで働きますってば。 いつと比較しての話だか自分でもわからないが、事業を興すということが、ずいぶんと安っぽくなってしまったものだな、と思う。 起業したこともない身でアレだけど、まず誤解しないでほしいのは、僕は「安っぽくなった起業と言う選択肢」それ自体はいいことだと思っている。 いわゆる「べんちゃーすぴりっと」というやつである。聞く所によると聖地シリコンバレーにおいては、学生から老人に至るまで猫も杓子も草木もすべからくベンチャー精神を保有しており、それが故に新陳代謝が活発かつ実力が正当