とはいえ、米国の政治の現状は、客観的に見てもかなり厳しい。いわゆる日本でいう政官財だけではなく、法曹会から、軍事産業に至るまで、非常に緊密な『複合体』となって組み上がっていて、容易なことでは解体できそうにないように見える。 サブプライムローンのような、詐欺商法といっても過言ではないようなウォール街の悪行が世にあきらかになって、言わば改革の一大チャンスだったはずの『リーマンショック』も、結局銀行等の金融機関については『Too big to fail(破綻させるには大きすぎる)』の大原則を再確認するための、世紀のイベントとなってしまった観があるし、『地球温暖化』という全地球的な課題も、『遺伝子操作』のような生命にかかわるような非常に重大な議論でさえ、企業の強力なロビーイングで手玉に取られ、なし崩しにされてしまう。