同じ音を繰り返したり、言葉が出にくかったりすることで、思い通りに話せない吃音(きつおん)。多くの当事者は、会話への苦手意識を抱えています。そんななか、吃音について知ってもらおうと、あえて音声だけで表現する「ラジオ」を通して発信を続ける吃音当事者がいます。開始から1年を過ぎ、「人前で話すのが楽しくなった」と大きな変化もありました。 ■当事者たちがあえて放送にチャレンジ 「吃音ラジオ、はじまります!」 明るい声で番組をスタートさせたのは、大学生の遠藤百合加さん(20)。小さい頃から吃音があります。 「吃音」とは、話すときに、①「わ、わ、わたし」と繰り返したり(連発)②「わーたし」と引きのばしたり(伸発)③「…………わたし」と音が詰まって出てこなかったり(難発)することで、思い通りに話せないことをいいます。原因ははっきり分かっておらず、決定的な治療法もまだありません。3歳前後で症状が出ることが多