NHKドラマ「64(ロクヨン)」の放送が終わった。地方県警を舞台に起こった2つの誘拐事件を広報官の視点で描いた物語で、広報室のメンバーがメディアと組織のはざまで思い悩みながら行動していく。 全640ページの原作の「厚み」には及ばない感じがしたが、主人公の広報官・三上を演じるピエール瀧が捜査指揮車に乗り込み、記者会見場の広報室員に事件の経過情報を送るシーンは、映像ならではの迫力で緊迫感が伝わってきた。 夜を徹した記者会見のシーンは、見ていて本当に悔しかった。捜査の責任者ではない二課長を会見者として出さざるを得ず、記者から突き上げられる。記者からの質問に答えられない二課長が答えを求めてあたふたと捜査本部と会見場を往復する。広報官は二課長と一緒に走り、広報室員はなすすべもなく会見場で立ち尽くしている。 最後には三上が捜査責任者の一課長を口説き落として自らが捜査指揮車に同乗するという荒わざに出るの