【第64回】 2009年05月13日 PERなどの有効性に疑問符の相場 「マイナス・デルタ償却資産」に注目 依然として不透明感が残る市場において力を発揮する、新しい投資指標をご紹介したい。「マイナス・デルタ償却資産」だ。 償却資産とは企業が保有する土地等を除いた固定資産で、工場設備のように時間とともに価値が減価するもの。マイナス・デルタとは、この償却資産が減っている企業がよいということだ。 実際には償却資産の伸びを同期間の資産の伸びで割って投資指標とする。 なぜ、設備などの資産が増えた企業をマイナスと評価するか? これには有名な米国の2人の学者の研究が裏づけにある。1人は『株式投資の未来』の著者として有名なジェレミー・シーゲルだ。 シーゲルが米国のS&P500銘柄を対象に、設備投資の大きいほうから2割に該当する銘柄群と、小さいほうから2割の銘柄群の株価上昇率を比較したところ、19